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常識的なひとり旅

■■ひとり旅の最中はつまらない
● ひとりは退屈

わたしのひとり旅テーマは、古代商社の足跡を辿ることと(『わたしのひとり旅のテーマ1』参照)、地方の居酒屋を巡ることです。

古代商社の足跡を巡るといっても、常にワクワクしているわけではありません。「な~んだ、こんなところか」みたいに、ガッカリすることも多々あります。特に観光地ではなくて、うらぶれた村外れの神社などを訪ねる場合も多く、期待外れのときは、ちっとも楽しくありません。旅には欠かせない「キャーキャー」「ワーワー」といった歓喜の渦は巻き起こりません。

地方の居酒屋では大抵盛り上がりますが、徹底的に飲むことは避けているので、八分目の状態で、質素なビジネスホテルに戻ってきます。あとは寝るだけ。
結構寂しくて、妻に必ず電話を掛けます。

ひとり旅を2~3日続けていると、わたしは飽きてきます。
早く家に帰りたくなります。ひとり旅というのは、「楽しくて楽しくて、帰りたくない!」という感じではありません。
ひとり旅から戻ったときは、「アア、楽しかった!」ではなくて、「テーマの課題が一つクリアされて、ヤレヤレ」といった感じなのです。

● 旅の最中以外が楽しい、ひとり旅

2泊3日のひとり旅から戻り、しばし日常生活に没頭します。そのうちにだんだん、先日のひとり旅の記憶が、蘇ってきます。
山口の街を、ひとりぶらついていたときのことを、思い出しています。蒸し暑いふつうの町をフーフー言いながら、あのときは歩いていたはずです。ちっとも面白くなかったはずです。でもそれが、記憶のスクリーンに映し出されると、とても楽しかった思い出として、編集されています。そして、「ああ、またひとり旅に出たいなあ」と、次のひとり旅への思いが膨らんでくるのです。

「次はいつ、ひとり旅に出ようか・・・」と、考えるようになります。「次はどこに行くか」「実際の行程はどうするか」と、次々考え始めてしまいます。そして予定を見ながら、次のひとり旅スケジュールを決め、ルートを決め、旅程を決め、予算を決めてゆきます。

次のひとり旅を決めてゆく。次のひとり旅への、思いが膨らむ。そのプロセスが楽しいのです。ひとり旅は、実際の旅行中よりも、戻った後の味わい深い思い出と、出発前のワクワク感に、より大きな魅力があります。

そのようなひとり旅を続けるには、旅から戻れる安定した場所を持つことが、大前提です。それが常識的ひとり旅をするための、絶対条件となります。

■■旅の思い出はあくまで思い出
● 旅のことは、あまり家族に語らない

わたしは物書きなので、旅の記憶は文章で残します。
写真も撮りますが、あまり好きではありません。携帯電話で簡単に撮る程度です。旅についての文章は公表することが多いので、日記のような書き散らしではなく、人に読んでもらうように丁寧に書きます。それらが、わたしのひとり旅の公式記録となります。

でもひとり旅の話は、あまり家族には語りません。
特に秘密ごとはないので、向こうから聞かれたら答えますが、こちらからペラペラとは話しません。向こうもあまり聞きません。

妻や子供と共通の興味があり、それが今回の旅と関わっていたなら、旅の土産話をするかもしれません。でも、古代商社の足跡とか、地方の居酒屋の話など、妻や子供は無関心です。
「旅どうだった?」と妻が聞けば、「天気が良くてマアマアだったよ」と答えます。手土産ひとつ渡して、それでオシマイ。それでいいのです。

● 旅先で会った人とは・・

旅先で、いろいろな人たちとコミュニケーションをすることは、ひとり旅の大きな楽しみです。特に、居酒屋で盛り上がった人たちのことは、旅のいい思い出となります。でも旅先の出会いは、それだけに止めることにしています。「家が葛飾柴又の団子屋だから、遊びにおいで」みたいなことは言いません。

神社や博物館などで話を聞くときは、一応名刺を渡して名乗ります。でもそれ以外の出会いでは名乗りません。どこから来たかを、言う程度です。旅先の出会いは楽しい思い出として封じ込め、文章に記録するだけにしています。

若いころは、旅先で出会った魅力的な女性の住所や電話番号を聞き出そうと血眼になりました。枯れつつある(まだ枯れてない!)今となっては、旅の出会いは非日常の記憶に凍結し、日常生活の域に、持込まない方がいいと思っています。日常生活という聖域は、あくまで非日常である旅とは区別する。それが、常識的ひとり旅のポイントです。

■■常識的ひとり旅の大前提
● ひとり旅のできる環境づくり

ひとり旅が継続的に可能な環境づくり。それは、時間とかカネ、そしてひとり旅のテーマ設定以外に、ひとり旅からいつも戻ってこられる、安定的な場所の確保が重要です。家族を持つ身としては、継続的なひとり旅を認めてくれる家庭環境づくりをする必要があります。

「この人は、定期的にひとり旅に出る人」ということを、家族に公認してもらう努力が大切です。「この人は毎日会社に行く人」「一週間に5日はお酒を飲む人」「週末は必ずゴルフに行く人」みたいに、家族に認めてもらうことです。

会社から戻ってきても、会社で何があったか、あまり家族には語りません。ゴルフのスコアとか勝ち負けも、あまり語らないでしょう。ひとり旅についても、淡々と送りだしてもらい、淡々と玄関に迎い入れてもらう。「この人は、たまにひとり旅をする人」という、家族の理解を得る努力をしましょう。

● やはり妻がキーポイント

妻の理解が、何より大切です。妻にどう理解してもらうか。妻の性格、妻との距離などにより、その攻略方法は千差万別でしょう。

わたしの場合は、ひとり旅はたまにする程度、年に数回としています。「また行くの!」という感じを、妻に持たせないようにしています。また、わたしがなぜひとり旅をするか、ある程度は教えています。
妻とは長年の付き合いだから、わたしが旅と酒と歴史が好きなことを知っていて、ある程度は理解してくれているはずです。

年に1~2度は妻と旅行をします。行き先、旅先での行動などは、妻の意見を大幅に取り入れることにしています。自分好みの旅はひとり旅で満喫するので、妻との旅は、彼女の主張に全面譲歩の姿勢を貫きます。

あとは、日常生活を淡々と過ごすだけ。仕事はもちろん、家庭でも、やるべきことは率先してやる。まだ道半ばかもしれませんが、そんなわたしの日常行動の中に、自然なかたちでひとり旅を取り込もうと、努力を継続中です。

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